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【院長ブログ】夏の脱水が招く脳梗塞リスク

[2025.06.22]

皆さんこんにちは。6月も下旬となり、松山でも真夏日が続く季節になりました。患者さんからも「暑くて体がだるい」「水分をとってもすぐに汗で出てしまう」といったお声をよく伺います。実は、この夏の暑さと脱水で特に注意していただきたいのが、夏の脱水による脳梗塞のリスクです。

多くの方が「脳梗塞は冬の病気」と思われているかもしれませんが、実際には夏にも多く発症することが医学的に証明されています。今回は、なぜ夏に脳梗塞が起こりやすいのか、その予防法とともに詳しくお話しします。

なぜ夏に脳梗塞が多いのか?脱水との深い関係

従来、脳梗塞は血圧が上昇しやすい冬に多い病気として知られていました。しかし、国立循環器病センターの調査によると、脳梗塞に限っては夏も冬と同じくらいの割合で発症することが明らかになっています。

夏に脳梗塞が起こりやすい理由として最も重要なのが、脱水による体内の水分不足です。特に日本人に多いラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞は、脱水との関係が比較的強いと考えられています。気温の上昇により汗をたくさんかくと、血液中の水分量が不足し、いわゆる「血液がドロドロ」の状態になってしまいます。

また、夏は体の熱を放出しようとして血管が拡張しやすくなります。健康な状態であれば問題はありませんが、体の調節機能が低下している高齢者などの場合、血管が拡張すると血流が遅くなり、血液内の成分が固まりやすくなって血栓ができやすくなるのです。


血液ドロドロ状態が引き起こす危険なメカニズム

脱水状態になると、体内の水分が少なくなり血液が濃くなります。この血液が濃くなった状態では、血管内で血栓(血のかたまり)ができやすい環境が整ってしまいます。

血栓ができるリスクには「血管内皮の状態」「血液成分」「血流」の3つが大きく関わってきます。夏の脱水状態では、これらすべてが悪い方向に変化してしまうのです。血管内皮が傷つきやすくなり、血液成分が濃くなり、血流が滞りがちになる。この3つの条件が重なることで、血栓形成のリスクが著しく高まります。

できてしまった血栓は全身を回り、最終的に脳や肺などの血管に詰まる原因となります。脳に詰まってしまった場合は脳梗塞となり、命に関わるだけでなく、一命を取り留めたとしても麻痺などの重い後遺症を背負うことになりかねません。特に暑い夏は就寝中に脱水が起こりやすく、夜間に血圧が下がって血流が滞り、血管が詰まりやすくなることも問題となります。

見逃してはいけない脳梗塞の前兆症状

脳梗塞の早期発見は、その後の治療や予後に大きく影響します。以下のような症状が突然現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。

・急に手足の動きが悪くなった
・急に片方の手足や顔のしびれが起こった
・言葉が出にくい
・呂律が回らない
・片方の目の視力が落ちた
・物が二重に見える

これらの症状は軽微なものでも見逃してはいけません。「少し休めば治るだろう」と思わずに、迷わず医療機関を受診していただくことが重要です。早期の治療開始により、後遺症を最小限に抑えることができる可能性があります。

 

効果的な水分補給の方法と適切なタイミング

脱水による血栓を予防するためには、夏場はしっかりと水分をとることが最も重要です。しかし、ただ水を飲めばよいというわけではありません。効果的な水分補給には、適切な方法とタイミングがあります。

まず、水分補給は「のどが渇く前」が理想的です。のどの渇きを感じた時点で、すでに軽度の脱水状態になっている可能性があります。1日8回を目安に、こまめな水分補給を心がけましょう。起床時、朝食時、10時頃、昼食時など、決まったタイミングで水分をとる習慣をつけることが大切です。

必要な水分量は、最低でも体重1㎏あたり40㎖以上とされています。また、汗をかいた時は塩分の補給も忘れずに行ってください。経口補水液やスポーツドリンクを活用することで、水分と同時に失われた電解質も効率よく補給できます。ただし、持病がある方は摂取量についてかかりつけ医の指示に従うようにしてください。

まとめ

夏の脱水は、私たちが思っている以上に深刻な健康リスクを招く可能性があります。のどが渇く前のこまめな水分補給、適切な環境管理、年齢に応じた対策を心がけ、脳梗塞の前兆症状を知っておきましょう。ご不明な点や心配なことがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

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