メニュー

帯状疱疹ワクチンについて

[2023.04.29]

1.帯状疱疹の原因・症状・治療法について

多くの方が幼い頃に水ぼうそうになったことがあるのではないでしょうか。
水ぼうそうは15歳以上の90%の方が感染していると考えられています。
水痘・帯状疱疹ウイルスは成人してから帯状疱疹を発症する原因にもなります。
水痘・帯状疱疹ウイルス感染後に免疫ができると休眠状態となり、
神経の根元に潜むのが特徴で、
病気や過労、ストレス、加齢によって免疫が低下すると、
ウイルスが再度活性化し神経に沿って皮膚表面近くに帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹は日本で毎年60万人の方が罹患しており、
60歳代を中心に50歳代~70歳代に多くみられ、
80歳までに3人に1人がかかるといわれています。
再発することは少ないですが、
6%程度に帯状疱疹を繰り返す方がいらっしゃいますので
一度罹ったから安心という訳ではありません。
帯状疱疹の主な症状は、体の片側の皮膚に沿って走る水ぶくれや発赤で、
しばしば激しいかゆみを引き起こします。
また、発症された方の20%程度に、
皮膚の症状が治った後も、神経痛だけが残存し
「帯状疱疹後神経痛」を合併する方がいらっしゃいます。
この神経痛は、治癒した後も激しい痛みやしびれが
数ヶ月から数年間も続くことがあり、
日常生活に大きな影響を与えます。
治療法については、
発症から間もない時は抗ウイルス薬や鎮痛剤を使用することが一般的です。
これらの薬物は、ウイルスの増殖を抑えたり、神経痛を和らげる効果があります。
また、保湿剤や消毒剤などの薬剤も使用されます。
帯状疱疹後神経痛が残存した場合には、神経痛を抑制する内服薬を使用します。
複数の種類の薬剤を
患者さんの痛みの程度や合併症などとあわせてご相談しております。
疼痛は放置すると慢性化することがありますので、
早めに対処されることをお勧めしています。
帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛どちらも早期の診断と治療が重要であり、
症状が現れた場合はすぐに医師に相談することをお勧めします。

 

2.帯状疱疹は予防できる?帯状疱疹ワクチンを紹介!

「友人や家族が帯状疱疹で辛そうだった」という声をお聞きします。
そのような方には帯状疱疹ワクチンの接種をお勧めしております。
帯状疱疹ワクチンには、2016年に認可された「弱毒生水痘ワクチン」と
2020年に認可された「シングリックス®」の2種類があり、
50歳以上の方に接種可能です。
弱毒生水痘ワクチンとは弱毒化されたウイルスを利用したもので、
シングリックス®はウイルス表面タンパクの一部を抗原とした不活化ワクチンです。
簡単ではありますが以下の比較表をご覧下さい。

  弱毒化水痘生ワクチン 不活化ワクチン(シングリックス®)
接種回数 1回 2回
効果 発症予防50%
帯状疱疹後神経痛30%軽減
発症予防97%
帯状疱疹後神経痛88%軽減
副反応 局所反応、発熱、水痘様発疹(1-3%) 筋肉痛、疲労、頭痛(30-40%)
持続効果 5年程度 9年以上


まとめると、
シングリックス®は発症予防、帯状疱疹後神経痛の予防効果が高く、
長期的な効果が得られるものの
注射回数や副反応が多く、何より価格が高いのがネックになる方が多いです。
弱毒生水痘生ワクチンは効果はシングリックス®に劣るものの、
副反応や注射回数が少なく、値段が安いという特徴があります。

当院ではどちらも投与可能ですので、
みなさまのご希望にあわせて選択頂ければと思います。

迷ったりお話を聞きたいという方がいらっしゃいましたら
受診時やお電話にてお気軽にご相談下さいね。

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME