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院長ブログ:季節性の体調不良と疾患 - メカニズムと対策を詳しく解説します!

[2024.11.10]

はじめに

季節の変わり目、特に昼と夜の気温差や月平均の気温の寒暖差が大きくなるこの時期は、体調を崩しやすい時期です。今回は、季節の変わり目に起こりやすい体調不良とその対策についてご説明いたします。

体調を崩すメカニズム

私たちの体には、自律神経系という血圧や呼吸数、体温、消化、代謝、排泄、発汗などの体内の特定のプロセスを自動的に調節する神経系があります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、状況に応じて通常はバランスを保っています。しかし、季節の変わり目には寒暖差に対応するためバランスが乱れることで体調不良につながります。その結果、頭痛、肩こり、不眠、倦怠感、目の疲労、肌荒れ、さらに、めまいや血圧の上昇、慢性痛の悪化なども起こりやすくなります。このようなバランスが乱れることが原因で起こりやすくなる代表的な病気を下記に挙げます。

季節の変わり目に起こりやすい代表的な病気

気象病

気象病は、気圧や気温の変化により引き起こされる様々な身体症状の総称です。特に気圧の変動が大きい時期に症状が悪化することが特徴的です。頭痛やめまい、関節痛といった症状だけでなく、自律神経系の乱れによる不眠や食欲不振なども現れます。気象病の症状は個人差が大きく、天気の変化に敏感な方ほど強く現れる傾向があります。特に気圧の低下時に症状が出やすく、台風や低気圧の接近時には要注意です。治療には漢方薬が効果的で、マッサージや入浴、軽い運動なども症状の緩和に効果があります。

血管運動性鼻炎

血管運動性鼻炎は、寒暖差アレルギーとも呼ばれ、温度変化に対して鼻の血管が過敏に反応することで起こる疾患です。通常のアレルギー性鼻炎とは異なり、特定のアレルゲンに対する反応ではなく、温度変化そのものが症状を引き起こします。主な症状は、突然の鼻づまりや水様性の鼻水、くしゃみの連続です。特に寒い場所から暖かい場所に移動した時や、その逆の場合に症状が強く現れます。治療には抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬を用います。また、マスクの着用や室温管理など、温度変化を緩やかにする工夫も重要です。

気管支喘息

気管支喘息は、気道が様々な刺激に対して過敏に反応し、発作的に狭くなることを繰り返す慢性の炎症性疾患です。日本人の約一割が罹患しているとされ、季節の変わり目には特に注意が必要です。発作は主に夜間や早朝に起こりやすく、咳、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)、息苦しさなどの症状が特徴的です。季節の変わり目や朝晩の冷え込みは気道を刺激し、症状を悪化させる要因となります。治療は長期管理薬による予防と発作時の対応の二本立てで行われます。長期管理薬として吸入ステロイド薬を中心に用い、発作時には気管支拡張薬を使用します。

季節性うつ病

季節性うつ病は、秋から冬にかけて発症し、春になると自然に改善する特徴的な気分障害です。日照時間の減少により脳内のセロトニンやメラトニンなどの神経伝達物質のバランスが崩れることが原因とされています。通常のうつ病とは異なり、過眠や過食、特に炭水化物への強い欲求が特徴的です。治療の第一選択は光療法で、早朝の散歩など、自然光を積極的に浴びることが推奨されます。

予防と対策

生活習慣の改善

規則正しい生活リズムを保つことが最も重要です。就寝時間と起床時間を一定にし、十分な睡眠時間を確保することで、体内時計が整い、自律神経のバランスを保つことができます。

運動習慣の確立

適度な運動は体温調節機能を高め、免疫力の向上にも効果的です。特に朝の運動は体内時計の調整に効果的で、一日を通じて体調を整えやすくなります。

温度管理の工夫

室内外の温度差を緩和することは、体調管理において重要です。急激な温度変化は体に大きな負担をかけるため、適切な衣服の調整や冷暖房の使用を工夫することが必要です。

ストレスケア

心身の健康を保つために、適度なリラックスタイムを確保することも重要です。入浴でリラックスしたり、趣味の時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけることをお勧めします。

まとめ

季節の変わり目の体調不良は、早めの対策と適切な生活習慣の改善で予防が可能です。症状が気になる場合は、遠慮なく当院にご相談ください。

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