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院長ブログ:認知症の早期サインとは?もの忘れとの違いを理解して早期発見につなげましょう

[2025.03.02]

皆様、こんにちは。松山市の気温も少しずつ上がり、春の訪れを感じる季節となりました。明日からはまた寒くなるようなので気温差にも注意くださいね。今回は多くの患者様からご質問をいただく「もの忘れと認知症の違い」について詳しくご説明します。年齢を重ねると誰にでも起こりうるもの忘れですが、それが認知症の初期症状なのか、それとも加齢に伴う自然な変化なのか、見分けることは簡単ではありません。今回は認知症の早期サインや、通常の加齢によるもの忘れとの違いについて解説し、早期発見のためのポイントをお伝えします。

 

加齢によるもの忘れと認知症の違いとは

加齢に伴うもの忘れは、私たちが年を重ねるにつれて自然に起こる現象です。例えば、電話番号を思い出せなかったり、物の置き場所を忘れたりすることがあっても、それが日常生活に大きな支障をきたさない場合は、通常の加齢現象と考えられます。加齢によるもの忘れの場合、時間をかければ思い出せることが多く、日常生活の機能に影響を与えることはあまりありません。

一方、認知症は単なるもの忘れとは異なります。認知症は脳の疾患であり、記憶力、思考力、推論力、学習能力、言語能力などに影響を与え、日常生活に支障をきたす症状が現れます。その大きな特徴は、症状が進行性であるということです。時間の経過とともに症状は悪化し、記憶の喪失はより顕著になります。初期段階では短期記憶や最近の出来事に関する記憶に影響が出ることが多いですが、病状が進行するにつれて長期記憶にも影響が及びます。

認知症ともの忘れを区別する重要なポイントは、日常生活に影響を与える程度やその他の機能の喪失の組み合わせです。例えば、電話番号を忘れることは日常生活に大きな支障はありませんが、電話の使い方を忘れてしまうことは機能の喪失であり、認知症の可能性を示唆します。また、よく使う物の名前や親しい家族や友人の名前を思い出すことが難しくなることも認知症の兆候のかの可能性があります。

 

認知症の早期サイン:日常生活での変化に注目

認知症の初期症状は軽微で気づきにくいことが多いですが、いくつかの早期サインがあります。これらの症状は必ずしも認知症を意味するわけではありませんが、以下に具体例を挙げてみます。

まず、記憶に関する問題について、最近耳にしたことを忘れる、重要な日付やイベントを忘れる、同じ質問を繰り返す、以前は自分で処理していたことを思い出すために家族に頼るようになるなどの変化が見られることがあります。

また、計画を立てたり問題を解決したりすることが難しくなることもあります。慣れ親しんだ活動をやめてしまうことや月々の請求に伴う金銭の管理を行うことが困難になったり、集中力が低下して以前よりも物事に時間がかかるようになったりすることがあります。

コミュニケーションの変化も認知症の早期サインとなることがあります。会話中に言葉を探すのに苦労したり、文章を組み立てるのが難しくなったりすることがあります。これらの症状は、言葉の理解、話す、読む、書くなどの問題に関連する失語症と呼ばれる状態に関連している可能性があります。

さらに、感情や気分の変化も認知症の初期症状として現れることがあります。気分の落ち込みや不安は一般的な初期症状であり、新しい場所に行くことや人に会うことに不安を感じるようになることがあります。気分や感情の変化は私たち全員に時々起こるものであり、うつ病、悲嘆、ストレスの一般的な症状と重なるため、認知症のサインとして見分けるのが難しい場合があります。

 

認知症の予防と脳の健康維持:今日からできること

認知症は年齢とともにリスクが高まりますが、すべての高齢者が認知症を発症するわけではありません。認知症のリスクを減らし、脳の健康を維持するためにできることがいくつかあります。

まず、健康的な食事を心がけましょう。過剰な塩分、糖分、アルコールを控えた食事が推奨されます。地中海式ダイエットなど、野菜、果物、全粒穀物、魚、オリーブオイルを豊富に含む食事は、認知症のリスクを低減する可能性があります。

次に、定期的な有酸素運動を行いましょう。ウォーキング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、脳の健康を維持するのに役立ちます。週に少なくとも150分の中程度の有酸素運動を目指しましょう。

また、脳を活発に使うことも重要です。新しい言語を学ぶ、絵を描く、楽器を演奏するなど、新しいスキルを習得することは、脳に新しい接続を作り出すのに役立ちます。パズルや読書、社会的な交流も脳を活発に保つのに効果的です。

さらに、高血圧や糖尿病などの健康状態を適切に管理することも重要です。これらの状態は適切に管理されないと、認知症のリスクを高める可能性があります。

睡眠不足、ストレス、うつ病、聴力の低下などの問題にも対処することが大切です。これらの問題は認知症のリスクを高める可能性があるため、早めに対処することをお勧めします。

 

まとめ:早期発見と適切なケアが認知症との付き合い方を変える

認知症の早期サインを理解し、通常の加齢によるもの忘れとの違いを知ることは、早期発見と適切なケアにつながります。うめもとクリニックでは、認知症の早期発見と適切なケアをサポートするために、専門的な診断と個別のケアプランの提供に努めています。もし認知症に関する不安や疑問がある場合は、お気軽にご相談ください。

 

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