メニュー

院長ブログ:頭痛のない世界

[2023.11.19]
 
先日、頭痛外来に通院されている患者様から、「頭痛のない世界を知りました」というお言葉をいただきました。私も頭痛をもつ仲間の1人として嬉しく、なにより頭痛診療についてクリニックのみんなで一生懸命考えてきたことが報われた気持ちになりました。今日は久しぶりに頭痛のお話をさせて頂きます。
 
プレゼンティーイズムとアブセンティーイズムという言葉をご存知でしょうか?プレゼンティーイズムは、体調不良や病気であっても仕事に出勤し、効率や生産性が低下することを指します。アブセンティーイズムは、体調不良や病気のために仕事を休んでしまうことを指します。 頭痛でいうと、プレゼンティーイズムは頭痛があるなかで出勤しても集中力できず、仕事のパフォーマンスが落ち本来の能力を発揮できないこと、アブセンティーイズムは頭痛がひどく急遽欠勤などをしてしまうこと、ということになります。頭痛では特にプレゼンティーイズムへの影響が強いのですが、片頭痛は働き盛りの20代から30代の女性が多いことから「たかが頭痛」「病院に行くほどでもない」「頭痛で仕事を休めない」と考えられている方もいらっしゃいます。社会に対する頭痛の影響が注目されており最近の研究で、日本では片頭痛が年間約3,000 億円の経済損失をもたらすと言われています。すごい数字ですよね。
 
 
頭痛に悩む方が少しでも少なくなれば、「頭痛のない世界」が少しでも拡がれば、この小さなクリニックでも地域の皆様に貢献できることがあると、とスタッフ一同使命感を持って頭痛診療の向上に努めています。
 
最近では抗CGRP製剤という新しい薬剤が注目されています。抗CGRP製剤は、脳内にある特定のタンパク質であるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)に作用することで、片頭痛の原因となる神経興奮を抑制し頭痛を予防する効果があります。抗CGRP製剤によって頭痛の頻度や強さが軽減され、日常生活において頭痛の負担を感じることが少なくなることが科学的にも示されています。ただ、抗CGRP製剤はあくまで片頭痛に対する予防療法のひとつで、すべての方に効果があるわけではなく、個々の症状や頭痛の性状によって効果の程度は異なる場合もあります。一人ひとりに合わせた頭痛治療を選択し、細やかな薬剤調整と定期的なフォローアップを行うことを心がけています。
 
私たちは 抗CGRP製剤を含む頭痛治療によって、頭痛をもつ患者様が頭痛から解放され、充実した日常生活や社会生活を送ることができる「頭痛のない世界」への一歩を踏み出すきっかけとなればと思っております。
 
もしも頭痛で日常生活や社会生活に辛さを感じておられる方がいらっしゃったら、是非一度当院までご相談ください。私たちが精一杯お手伝いさせていただきます。
 

頭痛外来はこちら

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME