院長ブログ:【ヒノキ花粉がピーク】花粉症と頭痛の関係 - 知っておきたいアレルギーと頭痛の深い関係
皆さん、こんにちは。4月に入り、暖かい日が増えてきました。春の訪れとともに気になるのが花粉の飛散状況です。日本気象協会の最新情報によると、現在はヒノキ花粉が増加中で、特に4月上旬は九州から関東の広い範囲でヒノキ花粉がピークを迎えると予測されています。四国地方も例外ではなく、松山市でもヒノキ花粉の飛散量が増えています。ヒノキ花粉のピーク期間は5日間から2週間ほど続き、4月半ば以降は次第に終息に向かいますが、大型連休頃までは花粉が飛散する可能性があります。特に風が強く吹く日は飛散量が多くなることがありますので、引き続き花粉対策を行いましょう。
花粉症と頭痛の意外な関係
花粉症というと、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状をイメージされる方が多いと思います。しかし、実は頭痛も花粉症の症状の一つとして現れることがあるのをご存知でしょうか。ある調査によると、花粉症の患者さんのうち約13%が「やや重い」から「非常に重い」頭痛を経験していると報告されています。これは花粉症による皮膚症状(肌荒れやかゆみ)を訴える方とほぼ同じ割合です。当クリニックでも、春先になると「花粉症の症状と一緒に頭が痛い」と訴える患者さんが増えます。花粉症と頭痛の関係について理解することで、適切な対処法を見つけることができますので、ぜひ参考にしてください。
副鼻腔炎が引き起こす頭痛のメカニズム
花粉症による頭痛の主な原因の一つが「副鼻腔炎」です。副鼻腔とは、鼻の周りにある空洞のことで、頬の裏側、目の間、額の裏側、鼻の奥にあります。花粉症で鼻の粘膜が腫れると、副鼻腔と鼻をつなぐ小さな穴(自然口)がふさがってしまうことがあります。すると副鼻腔内の空気の流れが妨げられ、圧力変化が生じたり、溜まった膿が周囲の三叉神経を圧迫したりして痛みを引き起こします。三叉神経は、おでこから顔全体に広がる重要な神経で、眼神経、上顎神経、下顎神経の3つの枝から構成されています。副鼻腔炎では、特に上顎神経まで炎症が波及することで、眼の奥やおでこ周辺に痛みが生じやすくなります。当クリニックでは、頭部CT検査時に副鼻腔炎の確認も行っており、危険な頭蓋内の出血などの原因検索と同時に、副鼻腔炎の有無についても確認しています。
アレルギー反応による頭痛の仕組み
副鼻腔炎以外にも、アレルギー反応そのものが頭痛を引き起こす場合があります。花粉症のメカニズムと頭痛の発生には、実は共通点があるのです。花粉症は、花粉が鼻の中に入ると、特定の細胞(肥満細胞)が刺激されて、ヒスタミンなどの化学物質を放出します。これらの物質が鼻の内部の神経や血管に作用して、くしゃみや鼻水などの症状を引き起こします。興味深いことに、この反応は脳の「三叉神経」も刺激して過敏にすることがあります。片頭痛も三叉神経が過敏になることで発作が起こるとされているため、メカニズムの面からも関連があるのです。
また、アレルギー反応で放出される様々な化学物質やサイトカイン(免疫細胞を活性化させる物質)の影響で、頭痛や頭重感が起きることもあります。花粉症と頭痛の両方にお悩みの方は、アレルギー治療と頭痛治療を並行して行うことで、症状の改善が期待できる場合があります。
花粉症による頭痛の対処法と予防策
花粉症による頭痛に悩まされている方に、いくつかの対処法と予防策をご紹介します。まず、花粉症の治療は早期に始めることが効果的です。特にスギ花粉症では、花粉が飛散を始める前から治療薬を服用することで効果が高まることが知られています。一度花粉症と診断されたら、翌年は花粉が飛散する前から治療を開始する「初期療法」が推奨されています。また、副鼻腔炎による頭痛がある場合は、鼻づまりの改善が重要です。点鼻薬や適切な抗アレルギー薬の使用が効果的です。
日常生活では、外出時のマスク着用や帰宅時の衣服や髪のブラッシング、室内の清掃など、花粉の侵入を防ぐ工夫も大切です。また、十分な睡眠と水分摂取も症状の緩和に役立ちます。当クリニックでは、患者さん一人ひとりの症状に合わせた治療プランをご提案しています。花粉症と頭痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
花粉症による頭痛は、副鼻腔炎やアレルギー反応によって引き起こされることがあります。現在、ヒノキ花粉が飛散のピークを迎えていますので、花粉症の症状とともに頭痛にも注意が必要です。うめもとクリニックでは、内科、脳神経内科の専門的見地から、花粉症に伴う頭痛の診断・治療を行っています。症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。