メニュー

院長ブログ「リハ専門医が解説!装具編」

[2023.09.02]

リハビリテーション専門職である療法士(理学療法士や作業療法士のこと)が増え、車椅子や装具(そうぐ)のお話をすることが多くなりました。患者さんの活動を想像しながら、義肢装具士や療法士とあれやこれやと話すことは私にとっては楽しく、装具をつけている患者さんをみると「適合(身体やその能力にあっているという意味です)しているな!」とか、「もうちょっとここをこうしたら良くなるのに!」と考えてしまうのがリハビリテーション科医の性でもあります。

 

脳卒中の装具の代表格「下肢装具」

脳卒中による運動障害や筋力低下によって、歩行や日常生活動作が困難になることがありますが、下肢装具はそれらの困難を軽減する役割を果たします。脳卒中後遺症とともに生活する患者さんにとって、大切な身体の一部でもあります。短下肢装具(たんかしそうぐ)は、主に膝から足の先までの部分に装着する補助具の一種です。短下肢装具は、個々の患者さんの歩行能力や筋力、関節可動域など身体機能やどのような歩行を目指したいかというニーズに合わせて、医師と療法士、義肢装具士の意見を合わせて装具の設計に反映させ作られます。

短下肢装具の最も一般的なタイプは、足首から足先までを覆う形状であり、足首を固定することで安定性を提供し、歩行時のバランスや姿勢を改善します。また、足首の動きを制限することで体重を支えたり、足首の内反(足首が内側に捻じれる)などの異常な動きを防ぐ効果もあります。また材料によっても用途が分かれ、鉄やカーボンファイバーなどの剛性材料を使用した短下肢装具は、重度の麻痺や歩行障害がある患者さんに対して、プラスチックなどの柔軟性のある材料を使用した短下肢装具は、筋力低下や歩行障害が軽度な患者さんに適しています。

装具はつけた方がいい?つけない方がいい?

患者さんに時々質問を頂きます。答えとしてはその方の麻痺や身体機能によって異なるという回答で、つけた方がよい方とそうでもない方もおられます。ご自分で判断するのは難しいのでリハビリテーション専門医に相談されることをお勧めします。装具が必要な方は、装具を装着する方法や歩行時の動作について正しく理解し、継続的な運動やリハビリテーションをお勧めしております。また、装具のメンテナンスや清掃も重要で、修正や修理を行うこともできますし、耐用年数を超えた装具は作り替えができます。定期的なメンテナンスを行い、装具の状態を良好に保つことでつけている身体の状態も良好に保つことができます。

最後に

当院は周辺では少ない脳卒中の下肢装具を専門的にアドバイスできる施設です。当院に通院されていない方でも装具のみのご相談をお受けしております。また払い戻しのお手続きや利用出来る制度等のご支援も可能です。車椅子や装具でお困りの際はお気軽にお問い合わせください!

当院の訪問リハビリテーションについてはこちら!

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME