院長ブログ:大人も夏風邪にご用心
来週はさらに暑くなるそうですが、皆様お体に気をつけてお過ごしください。夏は楽しいイベントが多い季節ですが、同時にさまざまな感染症にも注意が必要な時期です。今回は、大人の方々にも気をつけていただきたい夏の風邪について、お伝えします。
夏の風邪の正体は
夏風邪は、気温が高い夏の時期に流行するさまざまなウイルス性感染症の総称です。コクサッキーウイルスやエンテロウイルス、アデノウイルスなどが代表的な原因です。一般的な症状には、発熱、咳、喉の痛み、倦怠感などがありますが、原因となるウイルスによって症状が異なることがあります。
また、新型コロナウイルス感染症も流行しているので注意が必要です。多くの方が「夏は風邪をたいしたことない」と思われがちですが、実際には冬と同じくらい注意が必要な季節なのです。冷房による急激な温度変化や、湿度の低下が体調を崩しやすくしますし、夏は屋外活動が増え、人との接触機会も多くなるため、ウイルスに感染するリスクが高まります。
夏の代表的なウイルス感染症
1. 手足口病
手足口病は、主にコクサッキーウイルスやエンテロウイルスによって引き起こされる感染症です。主に幼児がかかると思われがちですが、大人も感染する可能性があります。
症状としては、口内炎、手のひらや足の裏に小さな水疱や発疹、発熱などが現れます。特に口内炎は痛みを伴うことが多く、食事や水分摂取が困難になることがあります。
大人の場合、症状が軽いこともありますが、逆に重症化するケースもあるため注意が必要です。特に妊婦の方が感染すると、稀に胎児に影響を与える可能性があるため、十分な注意が必要です。
2. ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナもまた、主にコクサッキーウイルスによって引き起こされる感染症です。こちらも子供だけでなく、大人も感染することがあります。
主な症状は、高熱(39℃以上になることも)、喉の奥に小さな水疱、食欲不振です。特に発熱は突然始まり、3〜4日間続くことが多いです。また、喉の痛みが強く、飲食が困難になることがあります。
大人の場合、子供ほど典型的な症状が出ないこともありますが、長引く喉の痛みや発熱に悩まされることがあります。
3. 咽頭結膜熱(プール熱)
咽頭結膜熱は、アデノウイルスによって引き起こされる感染症です。プールでの感染が多いことから「プール熱」とも呼ばれますが、プール以外でも感染します。
主な症状は、高熱、喉の痛み、目の充血です。発熱は5日から1週間程度続くことが多く、喉の痛みも強く現れます。また、目の充血や痛み、まぶたの腫れなども特徴的な症状です。
大人の場合、症状が重くなることもあり、長引く咳や全身倦怠感に悩まされることがあります。また、感染力が強いため、家族内での二次感染にも注意が必要です。
新型コロナウイルス感染症?夏風邪?
新型コロナウイルス感染症では発熱、乾いた咳、強い倦怠感、息苦しさや胸の圧迫感など、呼吸器症状が強いことが多いです。一般的な夏の風邪は、喉の痛み、鼻水、くしゃみ、微熱など、比較的軽度の症状が多いです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、他の夏風邪と似た症状を示すことがあり、症状だけで確実に判断することは困難です。特に、新型コロナウイルス感染症は他の夏風邪と症状が重なる部分も多いため、疑わしい症状がある場合は、自己判断せずに医療機関に相談することが重要です。
熱中症や脱水症にも注意を
発熱は、体温調節機能を乱し、熱中症のリスクを高めます。特に高齢者や持病のある方は注意が必要です。熱中症を予防するためには、こまめな水分補給が重要です。発熱時は通常以上に水分が失われやすいため、意識的に水分を取る必要があります。また、室温や湿度の管理も大切です。エアコンや扇風機を使用し、涼しい環境で療養することをおすすめします。発熱や下痢などの症状により、通常以上に水分が失われやすくなります。
脱水症状は体調の悪化を招くだけでなく、回復の遅れにもつながります。水分をこまめに摂取することが重要ですが、単なる水だけでなく、電解質のバランスを考慮した経口補水液がおすすめです。市販の経口補水液や、スポーツドリンクを薄めて飲むのも良いでしょう。食事が取れない場合は、ゼリー飲料などで水分と栄養を補給することも有効です。
周囲に感染させない工夫
夏風邪や新型コロナウイルス感染症は、軽症や無症状でも他の人に感染させる可能性があります。たとえ症状が軽くても、周囲の人への感染を防ぐため、以下の点に注意してください
・外出を控え、可能な限り自宅で療養する
・マスクを着用し、こまめな手洗い・消毒を行う
・同居家族との接触を最小限に抑え、可能であれば別室で過ごす
・共用部分(トイレ、洗面所など)の消毒を徹底する
・症状が改善しても、数日間は人混みを避ける
受診の目安
以下のような症状がある場合は、速やかに当院または最寄りの医療機関を受診してください。
- 38℃以上の高熱が2日以上続く
- 喉の痛みや咳が強く、食事や水分が取りづらい
- 呼吸が苦しい、息切れがする
- 強いだるさや倦怠感が続く
- 味覚・嗅覚の異常がある
- 意識がもうろうとする
- 尿量が少ない、尿の色が濃い
特に、持病のある方、高齢者、妊婦の方は、症状が軽くても早めの受診をおすすめします。また、新型コロナウイルスの感染が疑われる場合は、まず電話でご相談ください。
まとめ
日頃からの体調管理と、感染症に対する正しい知識を持つことが大切です。また、夏風邪には熱中症や脱水症状のリスクが伴うことを忘れずに、適切な水分補給と体温管理を行いましょう。
体調に不安がある場合は、遠慮なく当院にご相談ください。皆様のご健康をお祈りしております。
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