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【院長ブログ】めまいの症状別でわかる!脳神経内科を受診すべき危険なサインと予防法

[2025.06.15]

めまいは日常的によく経験する症状ですが、中には脳の病気が原因となる危険なものもあります。多くの場合は三半規管の異常による良性のめまいですが、脳梗塞や脳出血などの重篤な疾患が隠れていることもあるため、適切な見極めが重要です。今回は、脳神経内科からみた緊急受診が必要な危険なめまいの見分け方から、日常生活での予防法まで解説いたします。

 


緊急受診が必要な危険なめまいの特徴

めまいとともに以下のような症状がある場合は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害の可能性があるため、迷わず救急外来を受診してください。

顔や手足が動かない場合、脳の運動中枢に異常が生じている可能性があります。脳、脊髄、末梢神経のいずれの病変でも麻痺や筋力低下は生じうる症状ですが、めまいと同時に起こる場合は特に注意が必要です。

感覚が鈍い部位がある、呂律が回らない、喋りにくいといった症状も、脳幹部分の脳梗塞などを示唆する重要なサインです。

物が二重に見える複視の症状も重要な徴候です。これも脳幹の病変を示している可能性があります。

意識レベルの低下や意識障害を伴うめまいも緊急性が高い症状です。これらの症状は、脳の広い範囲に影響を与える重篤な病変を示している可能性があります。

めまいに頭痛が伴う場合、「今まで経験したことのない頭痛」や「バットで殴られたような痛み」の場合、くも膜下出血などの脳血管障害の典型的な症状で、直ちに救急受診が必要です。


脳神経内科で行う検査の詳細

脳神経内科では、めまいの原因を正確に診断するためにまず、詳細な病歴聴取と神経学的診察を行います。めまいがどのような時に起きたのか、どのくらい持続したのか、めまい以外の症状があるかなどを詳しく確認します。その上で、聴力検査や眼球の動きを観察する眼振検査を実施し、内耳の平衡機能に異常があるかを調べます。

CT検査は外来受付時間内であれば当日検査が可能で、単純レントゲン撮影では把握できない脳内の病変を撮影できます。これにより大部分の脳神経疾患の診断が可能になります。

MRI検査は放射線を使わない検査法で、CTスキャンでは明確でなかった病変の発見や、より詳細な診断が可能です。連携施設で検査を依頼し、検査時間はCTより長くかかりますが、脳の微細な変化も捉えることができる優れた検査です。頚椎症などが原因のめまいもMRI検査で発見されることがあります。

血液検査もめまいの鑑別に重要な情報をもたらすことがあります。脱水、低血糖、高血糖、甲状腺機能の異常などもめまいの原因となることがあります。


日常生活でできるめまい予防法

めまいの予防には、規則正しい生活習慣が重要です。

睡眠不足は、めまいを悪化させる原因となりますので、毎日可能な限り同じ時間に就寝し、7〜8時間程度の睡眠を心がけましょう。寝る1時間前はスマートフォンやテレビを控え、リラックスできる環境を整えると良質な睡眠につながります。

水分と塩分のバランスも重要な要素です。脱水や塩分不足は血圧の変動を引き起こし、めまいの原因となります。1日1.5〜2リットルを目安にこまめな水分補給を心がけ、特に暑い時期や運動時には塩分も適度に摂取することが必要です。

軽い運動の習慣化も効果的です。運動不足は筋力低下や血流の悪化を招き、めまいを助長します。毎日軽いストレッチやウォーキングを行い、バランスを鍛える運動として片足立ちやヨガなども取り入れると良いでしょう。無理なく継続できる運動を選ぶことがポイントです。

 

よくある質問Q&A

Q:めまいが起きた時はどう対処すれば良いですか?
A:まずは慌てずに安静にして様子をみることが大切です。じっとしていると比較的短時間でひどいめまいは落ち着いていく場合があります。体を動かすと再びめまいが起こることもあるため、無理に動かず安全な場所で休息をとってください。

Q:どのくらい様子を見れば良いでしょうか?
A:めまいが長時間続く場合や繰り返す場合、吐き気が強く食事がとれない場合は早めに受診することをお勧めします。また、難聴や耳鳴りを伴う場合には、突発性難聴などの早期治療が必要な病気が隠れている可能性があるため、迷わず医療機関を受診してください。

Q:受診時に何を伝えれば良いですか?
A:めまいがどのような時に起きたのか、どのくらい持続したのか、めまい以外の症状があるか、高血圧や糖尿病などの基礎疾患の有無を整理してお伝えください。現在服用している薬があれば、薬の名前も分かる範囲で教えてください。

 

まとめ

めまいは多くの場合良性のものですが、いざめまいが起こったときは慌ててしまうものです。危険な症状を知り、落ち着いて対処することが大切です。めまいの症状で不安を感じた際は、お気軽にご相談ください。

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