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院長ブログ:「帯状疱疹ワクチン」の定期接種を厚労省が最終調整中!※追記あり

[2024.12.16]

厚生労働省が来年4月から高齢者を対象に定期接種化する最終調整に入ったニュースが流れています。そこで改めて帯状疱疹ワクチンについて、ご説明させていただきます。ワクチンについて詳しく知りたい方は過去の記事も参考されてください。

定期接種化で大きく変わる接種費用

厚生労働省は2024年4月から、65歳以上の高齢者を対象とした帯状疱疹ワクチンの定期接種化を進めています。65歳以降、5歳刻みで接種機会が設けられ、接種費用の一部が公費負担となる予定です。これまでは任意接種で全額自己負担(4万円程度)でしたが、定期接種化により経済的負担が大幅に軽減されます。検討されていた方には朗報ですね。

 

帯状疱疹の発症リスクと症状

帯状疱疹は80歳までに約3人に1人が発症するとされており、特に50歳以上の中高年層に多く見られます。しかし、10~30歳代でも発症例が報告されており、若い方も決して油断はできません。近年は発症率が増加傾向にあることが分かっています。初期症状として、まず発疹が出現する前に特定の部位でかゆみを感じることがあります。これは、ウイルスが神経系を通じて皮膚表面に影響を与え始めたサインです。その後、特定部位に痛みや灼熱感が現れ、これが典型的な前兆となります。続いて赤い斑点が出現し、それらは小さな水疱へと変化していきます。水疱は集団で現れることが特徴的です。最終的に水疱は数日間でかさぶたとなり、自然に脱落していきます。

 

帯状疱疹の後遺症

最も深刻な後遺症は「帯状疱疹後神経痛」です。通常、帯状疱疹の痛みは皮膚症状が治るにつれて治まっていきますが、70~80%の方は1ヶ月以内に自然治癒する一方で、20~30%の方は痛みが継続することがあります。その他にも頭痛、発熱、視力低下、難聴、腕の運動障害、麻痺、排尿障害などの後遺症が報告されています。

 

ワクチンの種類と特徴

帯状疱疹ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。生ワクチンは50歳以上を対象に1回の接種で完了し、予防効果は約50~60%、効果は約5年で半減します。一方、不活化ワクチンは50歳以上を対象に2回接種が必要ですが、予防効果は約95%と高く、効果は約10年持続します。臨床試験では97%という非常に高い有効性を示し、9年間の追跡調査でも効果の低下が見られませんでした。

 

新型コロナウイルスとの関連性

米国での約200万人を対象とした大規模調査によると、50歳以上でコロナウイルスと診断された方は、診断されなかった方と比べて帯状疱疹の発症リスクが15%高く、入院患者では21%高いことが報告されています。

 

まとめ

2024年4月からの定期接種化により、多くの方がワクチン接種を受けやすくなります。65歳以上の方は続報をお待ちください。当院では帯状疱疹ワクチンの接種を実施しております。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。これからも皆様の健康に役立つ、最新の医療情報を発信してまいります。

 

2024年12月28日追記

厚生労働省は2024年12月18日、帯状疱疹ワクチンを予防接種法のB類疾病として定期接種化する方針を決定し、2025年4月1日から開始される本制度では、接種費用の一部が公費で補助されることになりました。多くの方がこのページを閲覧頂いており、追記いたします。以下は確定ではありませんので参考程度にご覧下さい。

 

対象者と経過措置

基本対象者

  • 65歳の方
  • 60~64歳でHIV感染により免疫機能に障害がある方

経過措置
5年間の経過措置期間中は、以下の年齢の方も接種可能です:

  • 70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳
  • 100歳以上の方は2025年度に限り全員が対象

 

今後の展開

具体的な自己負担額は自治体によって異なる見込みです。自治体から通知があればこのブログでも取り上げますので、お待ちください。

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